社会人から教員になる方法【体験談・転職・免許取得】

どーも!らいむぎです!

今回は、民間企業から教員に転職したいが、どうすればいいかわからない。そもそも教員免許がない。というより、小中高あるけどそれぞれどんな免許が必要なの?1つでいいの?どうやって取得するの?お金たくさんいるの?って様々な疑問が尽きない方のためにこの記事を書きました。

僕は民間企業に正社員として働いていましたが、働きながら教員免許を取得し、転職して教員になりました。そんな僕の実体験を元にしながら、社会人からでも教員になるための方法を解説していきます。

目次

そもそも教員免許とは

教員免許と一言で言っても、実はいくつか種類に分けられています。

免許の種類有効期間内容
普通免許状10年教諭、養護教諭、栄養教諭の免許状です。専修、一種、二種(高等学校は専修、一種)の区分に分けられています。小学校、中学校、高等学校の種類ごとそれぞれの教員免許状が必要です。(中学校と高等学校の場合、学校の種類と教科ごとにそれぞれ教員免許状が必要です。)
特別免許状10年教諭の免許状です。社会的経験を有する者に、教育職員検定を経て授与されます。授与を受けるには、任命又は雇用しようとする者の推薦が必要です。小学校教諭の免許状は教科ごとに授与されますが、特別活動など教科外活動を担任することも可能です。
臨時免許状3年助教諭、養護助教諭の免許状です。普通免許状を所持している人を採用することができない場合のみ、教育職員検定を経て授与されます。
【参考】文部科学省 教員免許制度の概要 「https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/__icsFiles/afieldfile/2019/09/09/1339300_1.pdf」

教員免許取得方法

教員免許の主な取得方法について解説します。

教員資格認定試験(小学校のみ)

教育系の大学に出ていない人であったり、教員に適したスキルや素養を持っている人たちにも教員への道を開くためにある試験です。合格すれば第2種教員免許が取得できます(第1種は無理)。一番手っ取り早く免許を手に入れれますが、合格率はだいたい10%〜15%くらいで非常に難しいです。勉強に自身がある人はこの方法を検討してみるのも良いと思います。

残念ながら、中学校の免許は取得できません。また、高校の免許も2004年の試験を最後に、文部科学省が当分試験を行わないと言っているため、実質高校の免許も取得できませんので注意が必要です。

②通信大学

教員免許は大学に通って、必要な単位を取得することで取得することができます。しかし、会社を退職して、全日制大学に通うには時間とお金がかかりすぎます。そんな働きながら免許取得したいと考える方にオススメな方法が、通信大学に通うという方法です。

通信大学なら全日制の大学と比べ、大幅に費用を減らせる上に、自宅で勉強して免許取得を目指すことができます。そのため、働きながら教員免許の取得方法としては一番現実的だと思います。僕自身も通信大学を利用して免許を取得しました。

③全日制大学

一般的な4年制大学に通い、必要単位を取得する方法です。キャンパスライフを通して、きっと同じ志を持つかけがえのない友人を作ることができると思います。一方、当然会社は辞める必要があり、国立大学でも数百万単位の費用がかかります。

社会人から教員取得までの手順(実体験)

社会人で働きながら教員を目指す具体的な手順は以下になります。

通信大学の選択

まず始めに、通信大学と言ってもピンからキリまであります。自分にあった通信大学を選びましょう。「通信大学 教員免許」などで検索して、少しでも気になった大学は無料なので片っ端から資料請求しましょう。募集要項やパンフレットが手に入ったら、吟味するべきポイントは次の点です。

①入学金や授業料など学費全般

通信大学は全日制の大学と比べて圧倒的に費用が安く済むものの、もちろん数十万単位でそれなりの金額はかかってきます。僕自身がそうだったのですが、一人暮らしで車代や奨学金なども払っていたりすると結構カツカツなので、免許取得するまでに結局いくら掛かるのか計算しておかないと後で痛い目を見ることになります。というか、僕は痛い目見ました・・・笑

費用として具体的には、入学金や授業料はもちろん、スクーリング費用(簡単に言うと対面授業)や教育実習費、介護体験費、教材費など様々な費用がかかります。また、何年かけて免許取得をするかによっても費用は変わってきます。免許の取得は数年単位で計画を立てて、具体的な費用を見積もっておくと安心です。

②単位の取得方法

どのように学習して単位取得をするのか確認しておかないと、後でしんどくなってしまいます。例えば、僕の通った大学の単位取得方法は、教材とレポート用紙が送られてきて、「教育の歴史について述べなさい」みたいな様々な課題に対し、教材を読みレポート用紙に手書きで記述していく方法でした。そして、レポートに切手を貼って送った後、レポートの合否が決まり、合格の場合単位取得の受験資格を得ることができます。そして、定期的に行われる試験を近くの会場で受けて合格すれば晴れて単位取得といった流れです。

僕はお金がなかったので費用重視で大学を選んだのですが、レポートを手書きで書く作業には本当に辟易しました。通信大学なら基本的には同じような流れになると思いますが、レポートはパソコン可の大学は多いので、後で後悔しないように単位の取得方法をしっかり確認しておくことをおすすめします。

③大学の所在地

なぜ通信大学なのに大学の所在地を確認する必要があるのかと言うと、スクーリングと呼ばれる対面授業が必ず数単位分必要になるので、実際に大学へ何度か足を運ばないといけないからです。大学が離れていれば、スクーリング時には交通費やホテル代などが追加でかかってきます。

またスクーリングは、対面授業を受ける代わりに試験が免除され、レポート合格だけで単位が認定されたり、スクーリング試験を受けて合格すれば単位が認定されたりするなど、基本的にレポートを書くよりも楽に単位取得が可能です。僕は夏に2週間の長期休暇を取って、一気にスクーリングで単位取得したりしました。その際、交通費や2週間分のホテル代がかかったのでかなりの出費が発生しました。入学時にここまで考えていなかったので、後からお金のやりくりにかなり苦労したのを覚えています。

このように通信大学とは言え、実際に大学に行く機会は0ではないので、できる限り近い大学にしておいたほうが無難だと思います。もちろん僕のようにスクーリングで一気に単位を取得しようとしなければ、スクーリングは必要最低限(数日)で済むので、自分の計画と相談してみてください。

必要な単位取得

各種教員免許ごとに必要な単位が決まっています。免許取得のみを目指すのであれば必要な単位をピンポイントで取得していき、免許が取得できたら退学する流れになるかと思います。

大学を出ていなくて大卒の資格(学士号)がほしいという方は話が変わってきて、免許取得にプラスして卒業に必要な単位を取得する必要がありますので注意してください。

ちなみに、必要な単位数は文部科学省のホームページに掲載されていますので参考にしてみてください。

文部科学省 2.(6)教員免許状取得に必要な科目の単位数・内訳

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1337063.htm

ちなみに、僕は大学は卒業していて、教員免許に必要な単位のみを取得したのですが、2年かかりました。最短でも2年はかかるので、計画を立てて継続的にレポートを進めないと3年、4年とかかかってしまう可能性もあります。

厳しいことを言うようですが、働きながら勉強していく場合、土日(休日)は毎週レポート作成に当てる覚悟がないと中途半端になってしまうかもしれません。初めは悩んで苦しみながら1日かけてレポート1冊できるかできないかといった具合でしたが、慣れてくれば1日でレポート2冊分仕上げるようになり、少しずつ楽になっていきます。 

上の写真は、僕が実際に免許取得までに仕上げたレポートの束です。僕はまずパソコンに文を打ち込み、後からレポート用紙に記述していましたが、レポート用紙に文字を写すだけでも2時間はかかりました。実際に記述したおかげで、写真のように目に見える形に残り、やり遂げたという自身になります。また教員になることを考えて字の上手さを意識していたので、少しだけ字がきれいになりました笑。実際に用紙に記述していくやり方は多少のメリットはあるものの、時間がかかりすぎることと比べると、改めてパソコンで記述したレポートを送付して完結できるような形の大学を強くおすすめします。

教育実習

働きながら教員を目指す上で避けては通れない最大の壁が教育実習です。

教育実習のためには1年位前から事前に母校などに連絡を取り、打ち合わせを行う必要があります。

実習では、実際に希望する免許種の学校へ行き、約1ヶ月に渡って現場で学ぶことになります。初めての環境に約1ヶ月も実習を行うのはかなりの肉体的、心理的にもかなりの負担になると思います。1度は教員を志したであろう全日制の教育学部の大学生でも、そのしんどさから教育実習を避けて、民間企業へ就職したという話を聞くくらいです。

また、働いてる方にとって、約1ヶ月休むというのは現実的にかなり厳しいです。どうしても働きながら教育実習をしたい場合、職場からの理解を得て、教員という夢を全面的に応援してくれるような環境を作らなければなりません。

教育実習は、単位取得の中でも終盤になりますので、僕はこのタイミングで会社を辞めました。僕は9月に教育実習をしたので、教員生活が始まる4月まではバイトをしながら過ごしました。

では、教育実習では具体的に何をするのか簡単に解説します。

①授業参観

先生方の授業を教室の後ろや横から見て勉強させてもらいます。気がついたことや疑問点などはまとめ、後から質問したり、調べたりします。最初の1週間はおそらく授業参観メインになり、とにかくいろいろな学年、様々な教科の授業を参観させてもらいます。僕は左足に体重を乗せるような姿勢で参観していた結果、左足のかかとから変な音がなるようになりました笑。実習が終わって数ヶ月で完治しましたが、それくらい多くの時間授業参観します。

教員になったら、他の先生の授業を見に行く機会は滅多にありませんので、実習生の授業参観は非常に重要な機会になります。当時の授業を見せてくれた先生方には感謝しかありません。

②授業実習

実際に授業を行います。授業を行うためには、教材研究を行い授業内容を頭に入れ、板書計画を作成し、実際に授業を行い、反省点をまとめます。また、実習中に何度か研究授業を行います。研究授業とは、自分の授業を様々な先生方に見せて、助言などをいただき授業を改善していくものです。研究授業を行うためには事前に指導案を作成し、指導教諭、教頭、校長などに見ていただいた後、すべての先生に印刷して配ります。とにかく大変です。

③子どもとの交流

主に指導教諭のクラスの子どもたちと関わることになります。また、中学や高校なら部活動などに参加することもあるでしょう。短い間ですが子どもたちと過ごす時間は今でも強く心に残っています。

④実習日誌

実習日誌を書かなければなりません。内容は大学ごとに違いはあると思いますが、1日の予定や、学んだことなどを毎日記入し、最終的に大学へ提出します。個人的には実習日誌が一番きつかったです。指導教諭のサインもいただかないといけなかったので、溜める事もできず、どれだけ疲れていても毎日A41ページ分反省や学んだことをぎっしり書いていました。学校によっては実習日誌は違いますので、もし分かるのならば簡単な実習日誌で済む大学がいいですね・・・。

介護等体験

介護等体験は、社会福祉施設や特別支援学校などで実習を行います。合計7日間の実習を行う必要があります。現在はコロナ禍で、体験を中止する場合もあるみたいです。その場合、介護等体験の代替処置として、レポートを書いたりして単位認定を行います。

必要単位をすべて取得したら・・・

免許に必要な単位をすべて取得したら、必要書類をもって自治体へ申請します。詳しくは自分の住んでいる自治体をご確認ください。

4月から教員として働きたい場合、1月ごろまでには必要単位をすべて取得しておかないと、申請が間に合わない場合がありますのでご注意ください。

教員として働くには

免許を取得しただけでは教員になりません。教員として働くには、「教員採用試験」に合格して自治体に採用されるか、私立学校なら面接や試験を受けて合格する必要があります。教員採用試験は、免許取得見込みの状態であれば受験可能です。

もし教員採用試験に落ちてしまった場合、講師として自治体に登録して、お声がかかれば教員として教壇に立つことも可能です。講師にも常勤講師と非常勤講師があり、常勤講師の場合は正規の教員と同じように担任を持ったり、ボーナスが出たりします。若いうちには正規の教員と常勤講師の給料はほとんど変わりませんが、年齢が上がっていくにつれて差が出てきます。

常勤講師として働くと、勉強する時間が取れずに採用試験に受からず、ズルズルとまた講師になるというような悪循環が生まれてしまう可能性があります。しかし、教育現場は人手不足が著しく、講師の手を借りないと回りません。個人的には、1年常勤講師として教員をやれただけでかなり教員として適正がある(教員のストレスに耐えられるという点で)と思うので、そういう講師の方をどんどん採用してほしいと思います。

最後に

大まかにですが、働きながら免許取得し、実際に教壇に立つまで解説させていただきました。

記事を読んで、中には「めんどくさ」、「大変そう」と思った方もいらっしゃるかもしれません。実際、働きながら教員になるのはめんどくさいし大変です。生半可な覚悟では挫折するでしょう。

しかし、教員になるという確固たる決意があれば必ず達成できます。僕は高い志を掲げて教員を目指しましたが、途中でレポートの多さや教育実習の辛さに挫けそうになることがありました。そんなときは、なぜ自分は教員になりたいのかを自問自答し、決意をし直してきました。そんなことを続けるうちにいつの間にか教員として働くことができていました。

全体を見ると、決して短い道のりではありませんが、目の前を一歩ずつ進んでいけば必ずたどり着ける道です。本気で教員になりたい方に必要なのは決して諦めない心です。応援しています!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

会社員で働きながら通信大学に通い小学校教員免許取得。
中型バイクの免許を取得したり、登録販売者の免許を取得したりと興味があるものには貪欲に行動してます。
今は話題になっていることや、興味があることに対して思ったことを自由に連ねる雑記ブログを運営し、収益化を目指しています。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次